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<2004/06/30>

「10年後にらみ」介護予防に力点 介護保険部会が中間報告骨子案

 厚生労働省は28日、介護保険制度見直しへの基本的な考え方とする中間報告骨子案をまとめ、社会保障審議会介護保険部会に示した。制度施行からの4年間を検証し、超高齢社会を迎える今後10年間に向けた課題を整理。制度の持続可能性を高めるため、給付の効率化・重点化を大胆に進めていく必要があるとした。特に、第一次ベビーブーム世代が高齢期入りする2015年以降をにらみ、介護予防への取り組みを重点課題に位置づけている。

 部会は7月から各論の審議に入り、8月中にも最終的な報告書をまとめる。前回からの積み残しとなっている被保険者の範囲についても検討する。

 骨子案はこれまでに見えてきた課題を(1)介護サービスの全体の質向上・担保、ケアマネジメント(2)在宅サービスの拡充、施設入所者の重点化、ケアハウスなど多様な住まいの選択肢の確保(3)市町村の保険者機能の強化、保険料の設定―に整理。特にケアマネジメントについては、介護支援専門員の地位などについて体系的な見直しが必要とした。

 さらに将来に向けた課題として、65歳以上の高齢者割合が2005年からの10年間で30%増加すること、痴呆性高齢者が250万人になるなどの推計を示して、介護予防の推進が喫緊の課題であることを強調。今後10年間の介護予防が将来の介護費用の増加を抑えることにつながるとして、「もっとも深刻な事態が予想される2015年以降を乗り切る上で不可欠な課題」に位置づけた。

 委員らからは、「介護サービス計画を客観的にチェックし、適切でない計画は報酬を減額するなど、評価の仕組みを取り入れても良いのでは」(潮谷義子・熊本県知事)、「自立支援、社会参加といった介護保険の基本理念の実現には、まずケアマネジメントの徹底が必要だ」(野中博・日本医師会常任理事)など、ケアマネジメントの整備を求める声が相次いだ。(JMA PRESS NETWORK・06/28)


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