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<2008/06/19>

第7回実習指導者養成研修を開催しました−2008年5月16日(金)〜18日(日)まで、国際文化会館(東京都港区)にて−

演習の写真 全体会で班別発表する写真 修了証書授与 集合写真
演習の様子 全体会での各班発表 修了証書の授与 集合写真

 本協会では、5月16日(金)から18日(日)までの3日間、財団法人国際文化会館(東京都港区)にて、第7回実習指導者養成研修を開催し、52人の皆さんが修了されました。本研修の感想を参加者2名からお寄せいただきましたので、掲載します。


「長崎県PSW実習指導元年」

医療法人志人会 西脇病院 三谷 亨

 今回、長崎県精神保健福祉士協会からの要請もあり、「第7回実習指導者養成研修」に参加させていただきました。正直なところ、受講前はこの研修に対し、あまり大きな期待はしていませんでした。

 私が所属している病院では、県内外の大学・専門学校から年間平均6名程度の実習生を受け入れています。日常業務に負担がかかりながらも、所属機関及び実習指導者の責任の範囲内で、出来うる限り内容の濃い実習を提供できていると思い込んでいました。

 そういうこともあり、この研修を受けても私自身の実習指導に対する考え方は変わらないだろうと、決めてかかっていました。

 ところが…、受講後…、目の前のモヤが払われるがごとく、すっきりとした思考回路になったような感覚を覚えました。今まで、なんと独善的で押し付けがましい実習指導をしていたのだと、痛恨の極みでした。

 この研修で拝聴した講義及びグループ演習は、大変大きなサジェスチョンを私に与えてくれました。

 「学生は決して新人PSWではない!」という阪田先生の話に、思わず、「ごめんなさい」と心の中で呟いたり、木下先生の「PSW業務(対人援助)には、経験や体験に基づく暗黙知の部分があり、形式知化が難しいものも多く見られる。しかし、その部分を経験論だけで済ませずに、何らかの形で実習生に表現し、伝えていくことが大切!」との言葉に「なるほど!」と、一人で膝をたたいていました。

 今回の研修で、具体的な実習指導の技術と指導エネルギーの素を得ることができました。この成果を今年からの実習指導に生かしていきたいと思います。

 また、これを機に長崎県内の実習指導の在り方を検討・分析し、長崎県版PSW実習指導研修も企画・開催していきたいと思います。よって、今年を「長崎県PSW実習指導元年」と致します。

 大変有意義な研修でした。講師の先生方並びに事務局の皆様、ありがとうございました。


出発点として、これから歩いていく道程

上尾甦生病院 山口あさ子

 「自分をよく捜し、理解していきましょう。」5年前、私が学生時代に実習先の指導教官だったPSWの方の言葉が今でも鮮明に覚えています。

 実習生になり、初めて精神科領域に足を踏み入れた私にとって、学校で学んでいたPSWの像がありながらも「PSWって何だろう。どんな存在なのだろう。」と感じそのたびに指導教官であるPSWが、こんな私にきちんと向き合い様々な「技」を教えてくださったことを今回の研修を通して、気づかされました。

 「見て」「聴いて」「感じて」「考える。」まさに実習生だったころの私に指導教官だったPSWがいつも言っていた言葉でした。

 精神科を特殊な領域と感じることは当たり前のことですし、違和感を感じることも初めてであるならば、もっともな事だと思います。だからこそ、「その空間に何を学び、何に気づくことが大切なのか、どんな風に思いを表現できるのか」PSWとして、その前に一人の生活者として、実習生に「伝える技」というのはとても難しいことなのだと感じました。

 また、伝えるだけでなく、実習生が感じた素直な気持ちが、たとえ自分とは違った意見や見解を持っていたとしても、「なぜそう思ったの?」といつも「なぜ?」と返すことよりも、その思いを受け止め整理し気持ちのコントロールができるだけの、知識の引き出しをたくさん持っていなければいけないことにも感じ、思いを「表現する技」の難しさにも気がつかされました。「難しい」と思うことが多かった研修でしたが、実習生がPSWとして芽を出し花開くためには、「良質な土」と「たくさんの水」が必要で、だからこそ、指導者という立場のPSWが何をもって「良質な土」と「たくさんの水」とするのか、またそれをどう与え、どう手入れをすれば良いのかと思いかえると、自然に答えが出るような気もしました。私にとって、この研修は「実習指導者としての出発点」です。

 今の私が、5年前に指導教官だったPSWに「PSWとしての出発点・原点」を気づかせていただけたように、私も実習生が「PSWとしての出発点」を少しでも発見できるように、お手伝いさせていただけたら、と思います。そのためには、自分の知識の引き出しが今以上に必要になりますので、協会などの研修に参加し、スキルを身につける必要性を改めて感じています。

 日々社会福祉が換わり行くように、私たちPSWもその時代に合わせて柔軟に換わっていくことが必要だと思います。ただ、PSWとして、実習指導者としての出発点に立ったそのときの思いは、どんなに時がたっても変わらずにいたいと思います。


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