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<2010/11/17>

トリエステからの使者、障がい者制度推進会議に参加を発表

 11月16日、日本縦断トリエステ精神保健講演会で講師を務める演者3名が11月22日(月)に開催される第26回障がい者制度改革推進会議(内閣府)に参加することを、司会の大熊一夫氏が講演会で発表しました。

 イタリアは、1999年に全土から精神病院をなくした国です。その立役者であるフランコ・バザーリア氏の考えに賛同し、イタリア改革に取り組んできた3名の演者が来日しています。「バザーリアの娘」というあだ名を持つフランコ・バザーリア記念財団理事長、サッサリ大学教授社会学者でWHO精神保健アドバイザーのマリアグラツィア・ジャンニケッダ氏、ローマの巨大精神病院(マニコミオ)閉鎖プロジェクトで最高責任者でバザーリアの愛弟子の精神科医であるトッマーゾ・ロザーヴィオ氏、そしてサルデーニャ州精神保健改革の立役者で、イタリア家族会連合会長のジゼッラ・トリンカス氏の3名です。

 障がい者制度改革推進会議は動画配信されていますので、関心をお待ちの方はぜひチェックしてみてください。

 「日本縦断トリエステ精神保健講演会」は東京を皮切りに、横浜、大阪、長崎の4都市を横断して開かれる講演会です。
 初回の東京では、「バザーリア法は世界で最も進んだ精神保健法(ジャンニケッダ氏)」「我々はなぜ精神病院を閉鎖したか(トッマーゾ氏)」「家族の「重荷」をどう乗り越えたか(トリンカス氏)」をテーマとした逐語の講演で3時間が過ぎ、休憩を挟んで質疑応答が行われました。

 満員となった400人の会場からは50件を超える質問が寄せられましたが、時間の関係上2件に絞られました。うち1つは、医療機関に勤務する人からで、「日本では自分も含めやむを得ない場合は拘束や隔離をする。どうしてイタリアは拘束しないで済むのか」というものでした。

 これに対してトッマーゾ氏は「魔法の杖があるわけではない。日々の地道な活動を通じて可能となったことだ」、ジャンニケッダ氏は、「マニコミオがあると、どうしても拘束する理由ができてしまう。だから廃止しかないという結論となった」、トリンカス氏は、「イタリアでは今でも拘束はある。しかし、拘束により患者が怪我をしたら家族は拘束した医師や看護師を訴えることができる。人権の観点から法律が整備されており、家族はその役目を果たす」という回答がありました。

 予定の時間を延長しても、それ以上の質疑の時間はなく、最後は大きな拍手をもって閉会となりました。


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