お知らせ

<2004/12/22>

新潟県支部として被災地支援活動を協議−第2回拡大運営委員会にて−

 去る12月18日、新潟県支部では第2回拡大運営委員会を開催、県支部としての新潟県中越地震被災地への支援活動を協議、本協会からも高橋会長、木太副会長が出席しました。

 報告では、長岡市と山古志村の仮設住宅に県支部として支援していくことをそれぞれ市や村と協議し、具体的な支援計画を立て、足りない部分を日本協会が支援(会員派遣)していく方向が示された、とのことです。


平成16年度第2回拡大運営委員会報告

【日 時】2004年12月18日 午前10時〜12時  【会 場】新潟県立精神医療センター会議室

1. 中越大震災に係る精神保健福祉対応の現状

〔小千谷市〕
1)心のケアチームは、兵庫県チームが12月21日に引き上げて、県立精神医療センターのチームだけが残って活動する。医療センターチームも年内は12月27日まで。年末年始は電話対応のみ。年明けから1月中旬頃までは回数を減らして入る予定。こころのケアチームはこれを持って活動を終了する予定。
2)小千谷市の保健センターでの現在の活動は、診療が1日1・2件程度と、戸別訪問で保健師がピックアップした人の訪問が1日4・5件。今後は、市の保健師9〜10人が通常の健診業務もしながら、戸別訪問をしていく予定。
3)一方で、保健師による全戸調査は実施されたものの、ケアが必要な人が十分に把握ず埋もれている可能性もある。
4)名前が挙がった人でも、実際の援助ができていない。特に、孤立して生活している人の支援ができていない。市の保健師の手が回らない状況。
5)すでに、受診できていて、地元の保健師が把握しているケースについては、どこまで援助するかという問題もある。
6)仮設住宅には地区ごとに入居しているが、市内11ヵ所に分散している。大きい仮設には集会所があるが、小さいところには何もない。入居期限の2年間のうちに経済的にも気力の問題でも、自宅の復旧の目処が立たない人たちの問題がある。アパートを新設してもらい、そこに賃借で暮らしたいというニーズがある。
※ 避難所は間もなく閉鎖されるが、仮設住宅の手続もせず(できずに)、ぼーっとして残っている人たちが100人位いる。避難所の閉鎖はもう少し伸びそう。

〔長岡市〕
1)仮設住宅への入居が終了(千歳〔せんざい〕地区:約459戸、1,000人規模)。
2)仮設住宅に長岡市からの委託で高齢者総合ケアセンター「こぶし園」(田宮病院系列の社会福祉法人運営)がサポートセンターを開設。通所・訪問・配食等の介護サービスを提供する。
3)サポートセンターには、大正大と東北福祉大の心理チーム?が週に2回程度「心の相談室」を開設する予定。
4)また、田宮グループのソーシャルワーカー会がジャスコ長岡で週2回行ってきた「医療と福祉のなんでも相談」を今年度中の隔週日曜日に実施することになった。とりあえず、2名で2時間窓口を開設して、様子を見て必要があれば、時間の延長や相談日を増やすなどの対応を考えていく。
5)仮設住宅は長岡市千歳(せんざい)地区に位置しており、長岡駅からは徒歩15分程度だが、買い物が非常に不便な場所。駅までの専用バスが出るが、1時間に1本程度。
6)服部氏らがサポートしていたパレスタウンの入居者は、12月8日に避難所から仮設住宅に無事入居。服部氏らが長岡市に交渉して、グループホームの扱いで仮設住宅3棟に入居している。もう1棟借りて、食事提供できるように考えている。ただし、冷蔵庫等の備品がもともとかなり古いものを持ちこんで使っている。入居者はずっと食事サービスを受けてきた人たちで、火の使い方も分からない人が一部いる。2年後のホームの設定が課題になる。

〔山古志村〕
1)長岡市郊外の長岡ニュータウン地区に仮設住宅計3カ所の632戸に、560世帯の約1,700人が12月22日までに入居予定。場所は、長岡市内でも雪がかなり多いところ。また、電波状態悪く携帯電話がつながりにくい。
2)山古志村社協がサポートセンターを運営する予定があり(?)、相談支援の部分で県支部のサポートが入ることを山古志村の介護保険課長と今井氏が協議中。

〔川口町〕
1)酒井氏のところで、2週間前に臨時の地域生活支援センターをすえひろ荘の場所を借りて設置。毎週木曜日にPSWが入って地元保健師と一緒に活動している。

〔魚沼市小出地区〕
1)来週水曜日(12月22日)に小出保健所の呼びかけで今後の精神保健福祉対策について会議が開かれる予定。
2)生活支援センターへの期待が大きい。在宅精神障害者のケアと一般住民の心のケアのすみわけが課題となっている。

〔十日町〕
1)心のケアチームは一部のチームが残っているが、ほぼ引き上げている。今後は、地元の精神保健福祉関係機関が連携してサポートしていく。
2)グループホーム「こごみ荘」は、損傷がひどく入居者は入所授産施設の会議室を間借りして雑魚寝状態であったが、病院近くの教会が無償で施設を貸してくれることとなり、12月20日に移動する予定。厚生連が施設の改修工事を始めており、来年度から元の施設に戻れる見通しとなった。元に戻る際に応援が必要だが、県の精神障害者社会復帰施設協会が入る予定。
3)中条第二病院についても、一時厚生連が閉鎖の方針を示していたが、さまざまな要請行動を受けて、来年4月を目途に応急処置的な改修工事を行い、県内に分散している入院患者さん(20病院に140名)の受け入れをしていく方針となった。現在、精神科外来は老健施設「きたはら」内に診察室を2つ仮設。また、きたはら内に開放病床14床、旧精神科デイケアセンター内に閉鎖病床28床(痴呆患者さん中心)を運営している。デイケアは旧栄養部厨房を一部回収し開設予定。

〔その他の討論〕
 ・市町村の従来の日常的な地域精神保健福祉体制が、今後の対応のあり方の格差となって現れてくるだろう。
 ・今回の地震を機会に、地域精神保健福祉における生活支援の重要性を訴えていきたい。
 ・被災時のショートステイ利用に関して、市の硬直化した対応に疑問を感じた。

2. 今後の県支部としての対応について(決定事項)

1)長岡市の仮設住宅には、サポートセンター千歳の運営をする「こぶし園」とも協議のうえ、県支部が月に1〜2回相談窓口を設けて、活動をしながらニーズを探っていくこととする。
2)山古志村については、平日は仕事や学校に出ていて人があまりいないので、土日に相談支援に入ることを県支部から打診していく。
3)新潟県支部として支援計画を立て、人が足りないところを日本協会に応援要請して派遣してもらう。
4)日本協会が集めている募金の使途については、基本的に県支部で振り分けを決めてもらうが、県外からの支援者を派遣することになると、その宿泊費用くらいはその中から負担する必要が出てくる可能性もある。この点は日本協会と県支部が連絡調整していくこととする。

以上


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