お知らせ

<2019/06/13>

【構成員の皆さまへ】成年後見制度における本人情報シート作成への積極的な関与について

 2019年4月より成年後見制度(以下、本制度とします)の申立て時に、家庭裁判所へ提出する書類として本人情報シート(以下、「本シート」とします)が導入されました。

 本シートの活用場面は、(1)医師が診断書を作成する際の補助資料として、(2)後見等開始の申立て前の支援内容や後見人候補者の選定の検討資料として、(3)後見等開始後のチーム※での支援方針の検討や後見事務の見直しの際の資料として、などが想定されています。

 本シートの作成者は、「ソーシャルワーカー(社会福祉士、精神保健福祉士等)として本人の支援に関わっている者」が想定され、これまで本制度への関わりがあまりなかった構成員諸氏におかれても今後作成者の立場になることが十分考えられます。

 本協会は、本シート導入の目的が本制度開始時・開始後における身上保護の充実にあることに鑑み、個々の構成員が本シート作成に積極的に関与されることを強く期待します。

1.本シート作成に積極的な関与を

 後見等開始の申立て時における本シートの活用は、本人の意思決定支援の観点から重要です。本シートの作成にあたっては、本制度利用について本人への説明を行うことや、適切な情報収集とアセスメントを行うこと、申立人(本人以外)の視点に偏った内容にしないことなどの留意すべきことがあります。
 構成員におかれては、利用者本人がメリットを実感できる制度の運用のために、留意事項をふまえ、積極的に本シート作成場面に関与してください。

2.本シートの作成費用について

 最高裁判所において、本シートの作成費用について金額等は明示されておらず、有償とする場合は、当事者間の合意によって決めることとなっています(「成年後見制度における診断書作成の手引 本人情報シート作成の手引」27ページ)。このことにより、ソーシャルワーカーが業務の一環として作成し費用を請求しない、任意の金額設定で費用請求を行う、あるいは無償で作成する等のさまざまな状況が想定されます。
 本シートは、専門的な視点で客観的な対象者の情報を記入することが求められることからも、本協会は作成費用を依頼者に請求することは妥当と考えております。所属機関等において予め費用を定めておくことをお勧めします。

公益社団法人日本精神保健福祉士協会
会長 柏木 一惠


※ チーム:本人に身近な親族、福祉・医療・地域等の関係者と後見人がチームとなって日常的に本人 を見守り、本人の意思や状況を継続的に把握し必要な対応を行う体制
成年後見制度における診断書作成の手引 本人情報シート作成の手引(裁判所WEBサイトへリンク)


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