「相談支援」の“きほん”がわかる相談支援ハンドブック 第2版(Ver.2.4)


はじめに

相談支援政策提言委員会 助言者 門屋充郎

 精神保健福祉士にとって相談は最も基本とする業務です。精神保健福祉士が精神医療、行政、司法、障害福祉、高齢、児童等々、どの分野で働いていても、相談は精神保健福祉士の基本業務です。私たちが日々行うこの相談業務は、相談者がその人なりの人生をその人なりに過ごすための生活支援が目的です。あたりまえのことですが、相談は相談者のニーズに基づく生活支援のためにあることから、本人主体、本人中心生活支援が、私たちが日々行う業務の実践共通課題なのです。

 私たち相談支援政策提言委員会は、ここに第2版「相談支援ハンドブック」を作成し皆さんにお届けいたします。私たちは障害者総合支援法に基づく相談支援が2015年度から本格実施となったことから、相談支援の理念と運用の正しい理解と制度の使い方を求めるために、議論を重ね第一版の一部を変更するなどしてお届けすることとなりました。

 我が国は国連の「障害者権利条約」を批准しました。先立って「障害者虐待防止法」「障害者差別解消法」「障害者総合支援法」等々を成立させ、精神保健福祉法の改正など関連法の改正を重ね、半世紀以上続いてきた障害者施策を根本的に変化させることとなりました。その土台に他の者との平等に基づき地域で暮らすことをあたりまえにする支え手として、相談支援を行う相談支援専門員が据えられました。計画相談及び地域移行・定着支援を独占業務とする相談支援専門員には良質な相談支援が求められ、本人のニードを満たし、安心・安全な地域生活が継続するように、行政や事業者等との間に立って協議調整をする役割を持ちました。私たちはこのハンドブックが精神保健福祉士であって相談支援専門員となっている方々等に読まれ、良質な相談支援を担保する一助になることを願っています。

 加えて、相談支援専門員が精神科病院の退院後生活環境相談員との連携や、退院促進に役立つ地域移行支援や通院者の地域定着、福祉サービス利用等の生活支援で協働することを強く望んでいます。


一括ダウンロード用データ(A4判・18頁/PDF/1.58MB)


「相談支援」の“きほん”がわかる相談支援ハンドブック 第2版(Ver.2.4)
目次

−基本編−

「相談支援」って何だろう?
1.「相談」「相談援助」「相談支援」
2.制度としての「相談支援」

「相談支援」を活かすには?
1.「計画相談支援」と「サービス等」との関係を理解しよう
2.「相談支援」を活用してチームをつくろう

「相談支援」の実際は?−基本編−
[事例1]福祉サービスを利用し、娘との生活に落ち着きを取り戻したAさん
[事例2]諦めていた故郷への退院を実現し充実した生活を取り戻したBさん

−応用編−

「相談支援」を活用して地域をつくろう

「相談支援」の実際は?−応用編−
[事例3]基幹相談支援センターの設置がきっかけとなり相談支援、官民協働が活気づいたC市
[事例4]D市計画相談支援担当者の相談支援への思い


公益社団法人日本精神保健福祉士協会 精神保健福祉部 相談支援策提言委員会


役職 氏名 所属機関(支部)
部長(常任理事) 水野 拓二 鷹岡病院(静岡県支部)
委員長 岩上 洋一 特定非営利活動法人じりつ(埼玉県支部)
委員 有野 哲章 社会福祉法人蒼渓会(山梨県支部)
委員 吉野 智 旭市基幹相談支援センター 海匝ネットワーク(千葉県支部)
委員 今村 まゆら
(ハンドブック作成チーム)
地域生活支援センターリヒト(東京都支部)
委員 遠藤 紫乃 一般社団法人スターアドバンス(千葉県支部)
委員 岡部 正文 一般社団法人ソラティオ(東京都支部)
委員 金川 洋輔
(ハンドブック作成チーム)
地域生活支援センター サポートセンターきぬた(東京都支部)
委員 菅原 小夜子 特定非営利活動法人こころ(静岡県支部)
委員 中野 千世 地域活動支援センター櫻(和歌山県支部)
委員  吉澤 浩一
(ハンドブック作成チーム)
相談支援センターくらふと(東京都支部)
助言者  門屋 充郎 特定非営利活動法人十勝障がい者支援センター(北海道支部)

(2016年3月31日現在)


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