PSWの実践・視点チェックリスト(2007年度版)

社団法人日本精神保健福祉士協会 精神保健福祉部 精神保健福祉委員会作成


 2001年度から2004年度にまでの地域精神保健福祉委員会と、2005年度から2007年度までの精神保健福祉委員会における活動成果として作成された「PSWの視点・実践チェックリスト」を掲載します。

 2003年度〜2004年度の間に作成された「PSWの視点」の概念図は、入会時に配布されるオリエンテーションブックや基幹研修テキスト実践編に掲載されていますので、既にご覧になった方が多いと思われます。

 当初、委員会は1999年の精神保健福祉法改正を受けて2002年度から市町村に精神保健福祉業務が移管となったことから、地域におけPSWの視点を追求する中で、「PSWの視点」についての図を作成するに至りました。2004年度の第40回日本精神保健福祉協会全国大会の自主企画「地域が変わるとき、施設が変わるとき、視点が変わるとき」において、本概念図の基になる図が発表され、PSWの視点の拡大に関して以下のコンセンサスが得られました。

  1. PSWの視野を拡大するためには、視点の変化が必要である。
  2. 利用者とのかかわりのなかで、PSWの成長と視野は螺旋状に発展していく。利用者の成長も同様に螺旋状で発展する。
  3. PSWは所属機関に足場をもつが、同時に地域を活動の基盤として足場を拡大していく。それと同時に所属機関のみではなく、地域の資源が活動の際の資源となる。
  4. 視野の拡大や成長、活動基盤と利用資源の拡大とともに、PSWはこれらの活動の場や用いるスキルをさらに拡大し、時には鳥瞰図的な視野をもつことが求められる。また、PSWとしての経験の蓄積に伴って、用いるスキルも、個別の援助技術もしくは集団や地域の組織化だけでなく、機関の管理運営、地域や行政機関との連携、ひいては価値を置くべき理念の伝達、権利擁護、そして、地域計画や政策立案への参画にまで拡大していく。

 これらを基に、大会後に自主企画参加者からのフィードバックを得て、4つの概念図の完成に至りました。この図が、現在、研修等の様々な機会に活用していただけるようになっているものです。

 「PSWの視点」については、一定の周知が図られたものの、各地で実際に地域精神保健福祉を推進するための課題は多く、「PSWの視点」を自己チェックできるような簡便なツール開発が求められました。そこで、2005年度の委員会活動では、自己チェック用のツールの作成に取り組み、同年度の第41回日本精神保健福祉士協会全国大会会場で参加者を対象に予備調査を実施しました(600部配布、183部回収(30.5%))。回収結果の分析から、更に精度を高めるため、プレテストを2回行い、信頼性と妥当性に課題を残しつつも、「PSWの実践・視点チェックリスト」(2007年度版)の作成に至りました。精神保健福祉委員会報告※において言及された今後の更なる検討の必要や検証の機会につながる可能性も含め、改めて過去の実績報告となりますが、掲載いたします。


・ PSWの実践・視点チェックリスト(2007年度版)(9頁/PDF/1MB)

<内容>
・PSWの実践・視点チェックリスト(2007年度)
・点数の算出方法
・クライエントとのかかわりを通して広がる視点
・時系列変化を加味したPSWの視点
・PSWのスタンスからみた視点の比較
・コミュニティーワークによる視点

・ 委員会報告:精神保健福祉委員会活動報告(2001(平成13)年度〜2005(平成17)年度)(10頁/PDF/1MB)
 機関誌「精神保健福祉」(JJPSW,NO.66,pp172−181,2006年6月25日発行)

<内容>
1.はじめに
2.地域精神保健福祉委員会の成り立ち(2001〔平成13〕年度)
3.市町村調査(2002〔平成14〕年度)および仙台大会発表(2003〔平成15〕年度)
4.方針変更―「地域におけるPSWの視点」の追究(2003〔平成15〕・2004〔平成16〕年度)
5.「PSWの視点」自己チェック用のツールの作成(2005〔平成17〕年度)
6.委員会活動の意義と今後の方向性について


△トップページ