報告

平成20年度障害者保健福祉推進事業補助金事業「地域生活支援と連携のあり方〜医療観察制度における地域処遇推進のための支援者研修〜」(2008年度)を受講して

2009年3月10日(火)および3月13日(金)、東京と京都にて「地域生活支援と連携のあり方〜医療観察制度における地域処遇推進のための支援者研修〜」を開催しました。ここでは、京都会場の様子について修了者からの報告記事を掲載します。

       
開会のあいさつをする木太副会長 講義会場の様子 厚生労働省からの講義 演習の様子

・ 京都会場/全国的な動向を知りたい!〜鑑定入院医療機関PSWの立場から〜

社会医療法人明和会 医療福祉センター 渡辺病院(鳥取県) 諸家 紗織

 今回、初めて医療観察制度に関する研修に参加させていただきました。

 これまで、鑑定入院医療機関のPSWとして数件のケースに関わってきましたが、私の勤務する鳥取県では医療観察法の申立てが少ないため、全国的な動向を知る機会になればと思い参加しました。

 大阪府堺市の医療観察法処遇の状況や関わりを聞き、申立ての多さ、中でも通院処遇決定の占める割合が大きく、「さすが大阪!地域性の違いは大きいな」と感じました。しかし関係機関の関わり方自体の課題には共通する部分も多く、医療観察終了後のケアコーディネーターの役割をどこの機関が担うのかは、どの地域でも今後の課題になることと思いました。また、地域コンフリクトについて、現場で直面している課題(事件を起こした地域に帰すことだけを考えると、入院が長期化してしまうこと)を知ることができたことも、研修に参加した意義であったと感じています。

 社会復帰調整官の植松さんのお話は、日ごろのソーシャルワーク業務に重なる部分が多く、大変参考になりました。中でも、社会復帰調整官が関わりづらいフェルトニーズに、他機関がどこまで主体的に関わっていけるかが、ご本人の自己実現に深く関係しているというお話が印象に残りました。

 また、私たちはご本人に寄り添う視点を日ごろ大切にしていますが、医療観察法においてはご家族が被害者となっていることも多く、家族間の調整やご家族への関わりの視点が大変重要なポイントとなることにも気づかされました。

 研修後半の意見交換会では、各地域での取組みを知ることができ、「鳥取県でも頑張っていこう!」と励みになりました。ありがとうございました。


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