報告

第29回基幹研修3&第29回更新研修

第29回基幹研修V」と「第29回更新研修」を機械振興会館(東京都)にて開催しました。日程は、基幹研修3が7月23日(土)、24日(日)、更新研修が7月24日(日)でした。ここでは、各修了者から報告記事を掲載します。


<第29回更新研修>
田村講師による講義 演習の様子 代表者による修了証書授与

・ 自身を振り返る一日

紘仁病院(愛知県)/経験年数 12年 村田祐果
(第29回更新研修修了者)

 2016年7月24日、東京タワーを真下から見上げることができる機械振興会館にて第29回更新研修に参加させていただきました。この職に就くきっかけとなった恩師と今回の更新研修で受講者という同じ立場で再会することができ、感慨深く、また時の流れの速さを感じながら研修が始まりました。

 午前中は、聖学院大学の田村綾子先生によるソーシャルワーク論の講義を受けました。先生より「前回の生涯研修を受けてからの5年間、あなたはどんな活動をし、生活の変化はありましたか?」と問いかけがありました。自身を振り返ると、私生活での変化が先に思い立ち、精神保健福祉士としての変化を言葉にする事が出来ませんでした。職場の後進育成についても「できていないなぁ・・・」という思いが頭をよぎりましたが、先生からの講義を聞くうちに「業務指針及び業務分類」を大いに活用し、私が今回学んだことをどんどん伝えていくことが第一歩だと、前向きな気持ちになることが出来ました。

 午後からは、経験年数別に分かれてのスーパービジョンと演習を行いました。自身が今どんな業務にあたっているか、悩みや困っていることをグループ内で検討し、一つのテーマを取り上げて話し合いました。話し合いをする中で悩みを言語化する事の難しさを感じました。しかし、働いている職場が違っても、悩みや迷いは共感できることが多く、職場に戻って、実践したい話をたくさん持ち帰ることが出来ました。

 今回は自身を振り返る長い一日となりました。次回の更新研修までの5年間、自分がどのように変化することが出来るのか、日々の自己研鑽を胸の片隅に置きながら、自身の成長に繋げていきたいと思います。


<第29回基幹研修3
山本講師による講義1 会場の様子 代表者による修了証書授与

・ 精神保健福祉士としての役割と魅力

社会福祉法人はまぎくの会 ハートケアセンターひたちなか(茨城県)/経験年数 14年 有阪 加奈子
(第29回基幹研修3修了者)

  この度、7月23日〜24日の2日間、全国から約80名の参加者が東京に集まり、「第29回基幹研修V」を受講しました。内容としては、精神保健福祉士の専門性、制度政策論、実践論の3コマの講義の他、与えられたテーマに沿った演習、参加者からのレポートを基にピアスーパービジョンを体験しました。

 私が研修に参加した理由は、経験年数があがり、自分が後輩を育成する立場になったものの、「アドバイスはこれでよかったのかな」という思いが強く、精神保健福祉士としての視点を今一度確認したかったからです。また、県外研修に参加し、茨城県以外の精神保健福祉の状況を知ることができるよい機会だと感じました。

 今回の研修で繰り返し出てきたワードは「ソーシャルな視点」だったと思います。確かに、私の業務の中にも、地域の障害者総合支援協議会や後見サポート事業の委員など、地域作りの役割が増えました。個々のケースから見える制度の課題に対して、「制度が悪い」とあきらめるのではなく、自分たちが今できることは何か、アクションを起こしていくことが精神保健福祉士として大切な役割なのだと思いました。

 また、ピアスーパービジョンのグループワークでは、各自テーマを持ち寄ったのですが、幸運にも私のテーマを取り上げていただきました。詳細は記載できませんが、同じグループの参加者が、悩みを共感してくれ、批判せず、一緒に悩み、様々な視点から発言をしてくれました。経験年数や職場環境、活動する地域が異なっても、同じ精神保健福祉士として活動している方と話ができたのは、本当に有意義な時間でした。その中で、当事者の方と共に悩みながら、自己決定に寄り添うことができるのが、精神保健福祉士としての魅力であると強く感じました。

 4年前に基幹研修Uを受講してから、期間があいてしまいましたが、基幹研修Vは、現在の自分の活動の中でのもがきを整理してくれる内容だったので、とてもいいタイミングで受講できたと思います。次の更新研修を楽しみに、現場で生かしていきたいです。

 最後になりましたが、研修の2日後に起きた事件は、私にとって大きな衝撃でした。誰もが生きる権利があるのはもちろんのこと、人生の価値を他者が勝手に決めてはいけない。今回、「認定精神保健福祉士」という言葉をいただきましたが、他者の人生に関わっているという重みを忘れずに、今後も仕事を続けていきたいと思います。


※ご報告いただいた方のご所属名と経験年数は、研修受講時の情報で掲載しています。


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