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<2007/06/05>

【トピックス】「退院促進支援研究会」に参加して

 
【中村社会・援護局長の挨拶】
 
【竹中会長の挨拶】

 5月30日から6月1日までの3日間、戸山サンライズ(東京都新宿区)において、厚生労働省主催の「退院促進支援研究会」が開催されました。本研究会は、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部3課(企画課、障害福祉課、精神・障害保健課)と保護課が共同で開催するもので、対象者としては、各都道府県の障害福祉担当と各都道府県・政令市・中核市の生活保護担当でした。

 また、平成18年度に厚生労働省の障害者保健福祉推進事業の障害者自立支援調査研究プロジェクトに係わる補助金事業として「精神障害者退院促進支援事業の効果及び有効なシステム、ツール等の関する調査研究」を社団法人日本精神保健福祉士協会(以下「本協会」という。)が実施し、その調査研究事業の成果の一環として「退院促進支援事業実施の手引き」を作成した関係から、本研究会の企画に係わるとともに本協会構成員にも参加枠をいただきました。なお、本協会構成員の参加については、人数制限や参加者募集の時間的制約があったため都道府県支部に周知し、派遣していただくよう依頼しました。

 
【200名が集った会場】

 今年度から障害者自立支援法における都道府県地域支援事業と生活保護法の自立支援プログラムに位置づいた精神障害者の退院促進支援事業の全国展開をめざし、47都道府県から参加者を募り約200名が集まりました。障害福祉担当として都道府県の障害福祉担当課の職員や精神保健福祉センター、保健所の職員などが参加し、生活保護担当としては、都道府県等の生活保護担当課の職員、福祉事務所の職員などの参加でした。

 1日目は、中村社会・援護局長及び本協会の竹中会長の挨拶から始まり、中村局長から精神保健医療福祉施策の現状と退院促進についての説明が続けて行われました。つぎに本協会の田村綾子常任理事から「退院促進事業の進め方」というテーマで、上述の調査研究の結果と手引きについて説明がされました。昼食を挟んで、「精神障害者の居住支援」、「公営住宅について」の説明が厚生労働省及び国土交通省の担当課職員よりされ、さらに「精神障害者のグループホームの実例」として社会福祉法人巣立ち会(東京都)の田尾有樹子理事より実践報告がありました。

 
【ミニシンポジウム】

 その後は、ミニパネルディスカッションが実施されました。ミニパネルディスカッション1は、保健所を積極的に活用して退院促進支援事業が展開されている事例ということで、岩手県と香川県の障害福祉担当課の職員と岩手県立南光病院の精神保健福祉士から報告があり、ミニパネルディスカッション2では、事業所に委託して退院促進支援事業が展開されている事例の報告を埼玉県、長崎県の障害福祉担当課の職員と委託された生活支援センターの職員が報告しました。ミニパネルディスカッション3では、生活保護で実施した退院促進の実践について、東京都板橋区の福祉事務所担当者と世田谷区で委託を受けている障害者支援情報センターの精神保健福祉士からの報告と生活保護と精神保健福祉の連携について山形県の精神科診療所の精神保健福祉士から報告がありました。

 2日目は、参加者が18グループに分かれ、退院促進支援について各機関の役割分担、生活保護における退院促進事業や連携のあり方などについてグループ討議が行われました。

 3日目は、地域において先進的な精神保健福祉活動が実践されている団体等を見学する企画が実施されました。

 これまで行政の精神保健福祉領域の職員と生活保護領域の職員、さらには本協会構成員である民間機関の職員が一堂に会して報告を聞き、一緒にグループ討議をするという企画があったでしょうか。それぞれの領域の者が相互の独自言語を共有化することから始まり、意見交換するだけでも有効であり、非常に画期的な企画であったと思います。

 研究会に参加した印象は、生活保護領域でも退院促進を積極的に行っている実践がたくさんあるということでした。また、生活保護領域の職員にすると精神保健福祉領域での退院促進支援事業実施は新鮮にうつったようです。

 このような研究会から先進的な実践のノウハウを取り入れ、また精神保健福祉領域と生活保護領域がお互いに理解し合い、連携しながら退院促進の実践が広がっていくものと感じました。

[報告]伊東秀幸(本協会常任理事、田園調布学園大学)


プログラム及び配布資料

【1日目】2007年5月30日(水)

時 間 議 題 講  師(敬称略) 資料(PDF)
10:45〜11:00 オリエンテーション 厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部
11:00〜11:30 開会挨拶・説明 中村 秀一(厚生労働省 社会・援護局 局長)  883KB
11:30〜12:00 退院促進支援事業の進め方 田村 綾子(社団法人日本精神保健福祉士協会 常任理事)  439KB
12:00〜13:00 (昼食)
13:00〜13:25 精神障害者の居住支援 清水 剛一(厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 相談支援専門官)  567KB
13:25〜13:45 公営住宅について 上森 康幹(国土交通省 住宅局 住宅総合整備課 住環境整備室 企画専門官) 1)513KB
2)286KB
13:45〜14:15 精神障害者のグループホームの実例 田尾 有樹子(社会福祉法人巣立ち会 理事)  8.55MB
14:15〜15:15 ミニパネルディスカッション1
※保健所を積極的に活用した例
[パネラー]
  工藤 一恵(岩手県)
  千葉 孝治(岩手県立南光病院 主任 医療社会事業士)
  関 結花(香川県)
[コーディネーター]
  厚生労働省
工藤氏:
1)316KB 2)255KB 3-1)111KB 3-2)70.4KB
関氏:
1)126KB 2)123KB
15:15〜15:30 (休憩)
15:30〜16:30 ミニパネルディスカッション2
※事業を委託により実施した例
[パネラー]
  後藤 盛聡(埼玉県)
  岩上 洋一(埼葛北障がい者地域活動支援センター「ふれんだむ」 所長/埼玉県)
  稗圃 砂千子(長崎県)
  吉田 勝博(大村市社会福祉協議会 生活支援センター「ラム」 相談支援専門員/長崎県)
[コーディネーター]
  厚生労働省
岩上氏:
1)96KB 2)77.6KB
16:30〜17:30 ミニパネルディスカッション3
※生活保護により実施した例
[パネラー]
  小関 清之(木の実町診療所 副所長/山形県)
  池谷 秀登(板橋区板橋福祉事務所/東京都)
  進藤 義夫(障害者支援情報センター「三軒茶屋プリズム」 理事長/東京都)
[コーディネーター]
  厚生労働省
小関氏:151KB
17:30〜18:15 グループ討議(各グループ12人程度) 厚労省職員が巡回アドバイザーとなる
18:30〜20:00 交流会


【2日目】2007年5月31日(木)

時 間 議 題 講  師(敬称略) 摘要
10:00〜14:30 グループ討議(昨日に引き続いて討議。昼食は適宜とる。) 厚労省職員が巡回アドバイザーとなる
14:30〜15:00 (休憩)
15:00〜16:20 グループ討議成果発表 グループ毎に発表


【3日目】2007年6月1日(金)

時 間 議 題 講  師(敬称略) 摘要
10:00〜 視察 各視察先にコーディネーターが同行

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