お知らせ

<2018/02/27>

【報告】社会保障問題シンポジウム「分断社会を乗り越える~all for allを目指して~」を開催

  2018年2月3日(土)、慶応義塾大学経済学部の井手英策教授を講師にお招きして開催した「社会保障問題シンポジウム」(※)に関して、企画担当の社会保障問題検討委員会の鶴幸一郎委員長より報告(所感)記事をいただきましたので、ご一読ください。


 私たちが見据えるソーシャルとは何であるか。

 今回、参加者は40名ほどにとどまった。その理由としてはいくつか考えられるが、講師が財政学者であったことやメゾ・マクロの視点を掲げる専門職でありながら、そのメゾ・マクロが何を指しているのか、どのような知識を必要とし、実践レベルで何が出来るのかについて、現任の精神保健福祉士が標準的に、いや基礎的に有するべき土台が形成されていないが故と感じられた。それは、一応に今の日本社会が、どのような歴史的系譜の上に立ち及び影響を受けて形成されているか、そして現状がどのような状況にあり、今後どのような未来が待っているかについて、講師の井手教授の圧倒的な知識や情報の検証分析と洞察、それを伝える熱量にただただ圧倒され、現状認識を改める機会となったという参加者の意見が圧倒的だったことから窺い知れた。

 私たちが普段何気なく使っているソーシャルとは、何を指しているのか。一言で「社会」といっても構成要素は多岐に渡る。逆説的に言えば、私たちに身近な福祉や医療・介護分野は社会のほんの一部分に過ぎない。また、社会を構造的に捉えれば、福祉や医療などは枝葉末節であり、それらを包括するように政治・経済・財政・思想などがその方向性や財源などをおおよそ決定づけているのである。こうしたことに対してアンテナをめぐらすこと、そこから得る情報や政策動向にソーシャルを名乗る専門職が無関心や後ろ向きであってはならないと、一参加者として井手教授の講演を拝聴しながらあらためて意識を高める機会となった。 

公益社団法人日本精神保健福祉士協会
社会保障問題検討委員長 鶴 幸一郎

※プログラム等の詳細はこちらをご覧ください。近日、講演の動画や配布資料を会員ページに掲載いたします。


△トップページへもどる