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市民公開講座
多様性を認め合う社会を目指して~北海道からの発信~

オンデマンド配信

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ライブ配信 2021年9月11日(土)10:00~12:00(全国大会・学術集会参加申込者対象)
オンデマンド配信 YouTubeオンデマンド配信(一般公開)
対談者 石原 真衣 氏
(北海道大学アイヌ・先住民研究センター 助教/アイヌ+(プラス)のミックスレイシャル)
渕上 綾子 氏(北海道議会議員/トランスジェンダー当事者)
大嶋 栄子 氏(NPO法人リカバリー 代表/精神保健福祉士)
司会者 高田 大志 氏
(医療法人薪水 浦河ひがし町診療所 副院長/精神保健福祉士)
<企画趣旨>
 現代において、様々な場面で「多様性」という言葉が使われています。今回の大会テーマでも使用しています。皆さんは、この言葉を耳にした時、すぐに思い浮かぶことは何でしょうか?
 すぐに思い浮かぶのは、「国籍」「民族・人種」「(見た目の)性別」「年齢」「言語」など、「目に見える属性」に関しての多様性です。一方、ジェンダー・信仰・身体的能力・スキル・考え方まで、その人の「内面」や「経験」を「多様性」に含む考え方や定義も広がっています。
 「多様性」という言葉が扱われる機会が増え、人々の関心が高まる一方で、「多様性」を考える場合に「マジョリティ(多数派)」が「マイノリティ(少数派)」を理解する、認めるといった構造になりがちである危険性を感じています。今回改めてこのテーマに向き合った際、「多様性」とは新しく何かを「作る」とか「認める」ことではなく、「すでに」「そこにある」「一人ひとりにとってあるがままの」自分や自分の考えが、「ごく当たり前に」そこに存在できる社会のことではないかと考えました。ならば、逆に自分の周りにいる人たちの「ごく当たり前」を受け入れる自分、受け入れられる自分であれば、もっともっとお互いが「楽に」生きていけるのかもしれません。多様性とは決して特別なものではなく、一番の問題は「無意識」であること、「無関心」であることではないかと思います。
 本講座では、社会が抱える様々な課題や葛藤に対峙し、啓発、支援を行い続けている3名の対談者とともに、今一度、「多様性」とは何か、「他者を、自分をありのままに受け入れる」社会とは何か、「認め合えたときに生まれるもの」「作り上げるミライ」を語り合えたらと願っています。
<対談者紹介>

石原 真衣(いしはら・まい)氏
(北海道大学 アイヌ・先住民研究センター 助教)
 社会で不可視化され/沈黙する人びとに関する文化人類学的な研究を行っている。沈黙は、「隠す」のみならず、「言葉の不在」や「第三項の排除」が背景にあるとして、学際的・国際的な領域との共同研究に取り組んでいる。
 北海道サッポロ生まれ。北星学園大学文学部英文学科卒、社会人として高校、専門学校等で勤務したのち、北海道大学大学院文学研究科博士前期課程入学。同大学院博士後期課程修了。博士(文学)。北海道大学文学研究員専門研究員を経て、現職。
<著書>
『〈沈黙〉の自伝的民族誌(オートエスノグラフィー) サイレント・アイヌの痛みと救済の物語』(北海道大学出版会)

渕上 綾子(ふちがみ・あやこ)氏
(北海道議会議員)
1975年 佐賀県生まれ
1995年 富山大学生物圏環境科学科卒業
1999年 北海道大学大学院地球環境科学研究科修了
北海道大学低温科学研究所勤務
2000年 農林水産省北海道農業試験場勤務
2001年 ニューハーフショークラブららつー入社
2019年 北海道議会議員に初当選
主に人権について取り組み、多様な人が認められ活躍できる社会を目指す。

大嶋 栄子(おおしま・えいこ)氏
 (NPO法人リカバリー 代表、国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 客員研究員)
 北星学園大学大学院社会福祉学研究科博士後期課程満期単位取得退学。博士(社会福祉学)。精神科ソーシャルワーカーを経て、2002年にさまざまな被害体験を背景にもつ女性の支援をおこなう「それいゆ」を立ち上げる。2004年、NPO法人リカバリーとして認証され、現在4か所の施設を運営。
 <著書>
『その後の不自由』(上岡陽江と共著、医学書院)、『嵐の後を生きる人たち』(かりん舎)、編著として『ジェンダーからソーシャルワークを問う』(ヘウレーカ)など。フェミニスト・ソーシャルワークについて実践と研究を行っている。また2019年に出版した単著『生き延びるためのアディクション』(金剛出版)は、2020年度「日本社会福祉学会奨励賞(単著部門)」を受賞した。

<司会者紹介>

高田 大志(たかだ・だいし)氏
(医療法人薪水 浦河ひがし町診療所 副院長/精神保健福祉士)
 北海道函館市出身。2003年、北海道医療大学を卒業し、浦河赤十字病院にてソーシャルワーカーとして勤務。2014年、同病院精神科病棟廃止を機に退職し、精神科スタッフ有志らと浦河ひがし町診療所を開設。
 グループホームや小規模多機能ホーム、相談支援事業所など生活支援の事業所運営にも携わりながら、誰もが安心して生活できる地域づくりを目指して取り組んでいる。